Vol.03

ブックカフェ
壺中天の本と珈琲


城ケ崎の森に佇むアートなブックカフェ

小さいころ造っていた森の中の秘密基地。自分だけしか知らないとっておきの場所。お気に入りのヒーロー本や宝物をこっそり置いて、
放課後になるとランドセルを放り投げて一目散に訪れた。そこで過ごす得も言われぬ甘美な時間は今も記憶の中に輝いている。
大人になってもそんな秘密基地があってもいい。ここ「壺中天の本と珈琲」はまさにそんな場所です。


木漏れ日が宝もの

すぐ傍に海があるとは思えないナラやクヌギの落葉樹の森は、都会の真ん中に造った人工的な森とはまるで違う。
伊豆高原の清々しい水と温かい光を浴びてのびのびと育った木々たちが自由気ままに枝を伸ばし、季節と遊び、訪れる人々に微笑みかけてくれる。木々の確かな気配がある。
オーナーの舘野さんはこの森を一目で気に入り、ここに「壺中天の本と珈琲」を造ろうと決めたそうです。独創的なデザインの建物は、切ってしまう木が最小限になるよう設計されていて、お店のどこにいても木立を渡る風や柔らかな木漏れ日を感じられる造りです。


蔵書はすべて個人的趣味

舘野さんは、現役時代はNHKで「視点・論点」という番組を制作していたという経歴の持ち主。お店に美しく並べられたブックスは、舘野さんが長年趣味で集めた愛すべき蔵書の数々です。特に膨大なアート本は、時代の流行や俗評に惑わされることなく、舘野さんの感性を最優先に選んできたマニアックなものばかりです。


お店に流れるBGMはその日の天気や時刻に合わせて選ぶClassicオンリー。そして喫茶メニューは、下北沢丸山珈琲直伝の淹れ方と豆にこだわった「コーヒー」のみ。

このお店はまさに舘野さんの「壺中天」と言っていい場所です。そして、もしかしたら舘野さんの道案内で、訪れた方の「壺中天」フィールドとなるかもしれません。



クリエイティブ=壺中天

定期的にアーティストの作品を展示している壺中天。「既に名の通った作家の作品を展示するより、まだ皆の知らない新しくて面白い作品や作家を発表していきたい。」とおっしゃる舘野さん。
また、カフェのオーナーとしては「よそのコーヒーはまったく受け付けないけど、ここのコーヒーは飲める。とお客様が言ってくれるときが、一番うれしい瞬間ですね。」とも。
コンテンポラリーなものを提供したいという舘野さんのポリシーが、企画展にもコーヒーにも表現され、森の中のアーティスティックな空間が創り出されているように思います。


インフォメーション

「壺中天の本と珈琲」では、数か月に一度、主に伊豆在住の若い作家さんと共に新鮮でサプライズな企画展を開催しています。不定期ですので、フェイスブックで確認するか、営業時間内にお問い合わせしてみてください。また、店内では本の販売も行っています。


取材を終えて

若葉の芽吹く青い匂いの中、ほっこりと落ち着く木の椅子に深々と埋もれて、「バッハのプレリュード」を聴きながらいただいたコーヒーの美味しさは格別でした。この空気感が伝われば幸いです。ここ「壺中天」を正直に言ってしまえばあまり知られたくないかもしれません。朝は8時からオープンしています、あなたのベストタイムをみつけてみては如何でしょうか。/tuki



Owner's Voice

「ちょっとわかりにくくて不便なところにありますが、
地元の人に愛される伊豆高原の文化の拠点になるカフェを目指します。」

壺中天の本と珈琲

城ヶ崎海岸の別荘地内、住宅街の中に突如として斬新な建物が現れます。木立を眺められるよう、自然を活かして建てられたカフェの内部はまるで別世界。本やアートが好きな方にはたまらないかも。タクシーでお越しの場合、別荘地の区画「伊豆急城ヶ崎3次の10」とお伝えください。

ブックカフェ 壺中天の本と珈琲
ADDRESS:
静岡県伊東市八幡野1033-7
TEL, FAX:
0557-53-8406
HOURS:
8:00am~4:00pm
CLOSE:
火・水・木曜日
HP:
公式サイト

●取材・撮影:メープルハウジング ●画像、本文などの無断転用は法律により禁止されています。

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