NATURE

ずっと守りたい伊豆高原の自然

Vol.01

一碧湖


大室山から伊東方面に緑の中を約3km程行くと眼下に湖が見えてきます。湖は周囲を山に囲まれ、穏やかで、小さいながらも美しさが際だっています。
湖の名前は「一碧湖」。別名「伊豆の瞳」と称され、日本百景にも選ばれている伊豆半島唯一の自然湖です。


春は満開の山桜が湖面に舞い散り、秋は湖を色とりどりの紅葉の縁取り、夏は鮮やかな緑と空の青さのコントラスト、冬には白く雪をかぶった富士山を望む。その四季折々の豊かな自然は湖を訪れた現代フランス画壇の巨匠カシニョールも絶賛。東洋一の美しさと評しています。



周辺の自然を愛でる楽しみ

湖は北西側の大池と南東側の小さな沼池の部分とに分かれるひょうたん形です。周囲4kmは「歩く」を愉しむのにジャストサイズ。所々に休憩場所を設けた遊歩道は起伏も余りなく、自然の木々や草花を愛でながらゆったりお散歩できます。沼池は沼地自然保護区に指定されていて、葦やフトイが生い茂り、伊豆では珍しい湿地帯の風景が広がります。

水は生物の源

さらに周辺の森は野鳥の保護林。バードウォッチングや愛犬とのお散歩など愉しみは尽きません。また、大池にはブラックバスやブルーギルが生息していてレイクフィッシングもOK。余談ですが、一碧湖のブルーギルは1966年北米ミシシッピ川原産の15匹を現在の天皇陛下が持ち帰り、この一碧湖にお放しになったのが日本で初めてとのことです。





素敵なお店の多い環境も魅力です

お散歩で疲れたら、ちょっと立ち寄りたいお店もたくさんあります。
フレンチにイタリアン、和風と、どれもオーナーのセンスの良さが伝わるモードな店構え。
中でも、湖の南に在る「オーベルジュ・ル・タン」で本格派フレンチをリーズナブルなランチでいただき、ル・タンの名のごとく「時」を気にせずに、ゆったりと食事を愉しみ、晴れた日であれば爽やかな空気に包まれテラスでティータイム、きっと素敵なひとときを過ごすことが出来るでしょう。





かつては歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻も毎年訪れ、100首を超す歌を詠んだと言われる一碧湖。その美しさは今もなお、多くの人を惹きつけてやみません。
火山帯の自然のおくりものであるという以上に、えも言われぬ神秘性をたたえた一碧湖の水面にひととき、想いを馳せてみませんか。




「一碧湖」

Information

四季折々にその光景が変化する、伊豆で唯一の湖・一碧湖。この湖もジオサイトの一つです。山あり、湖あり、温泉の湧出量は全国でもベスト10に入る伊東市は、まさにジオサイトの標本都市です。一碧湖はボードウォークをただ散策するだけでも気持ちの良いスポットですが、釣りをしたり、ボートに乗れたりと、アクティビティが楽しめること、また周辺に雰囲気の良い店舗が多く、美術館もあることから、折々の状況によって様々な楽しみ方ができる稀有な自然の財産です。

●取材・撮影:メープルハウジング ●画像、本文などの無断転用は法律により禁止されています。

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